アメリカで学位を終えたあとに現地経験を積みたい人にとって、OPTは早めに逆算したい制度です。CPTとの違いを知っていても、申請日、I-20の推薦日、開始希望日、失業日数を同じ表で管理していないと、卒業前後の数週間で迷いやすくなります。
特に社会人留学では、日本の退職日、帰国予定、家族の予定、就職活動の時期が重なります。OPTは卒業してから考える手続きではなく、卒業予定日の90日前から動く就労計画として扱うほうが安全です。
ここでは、F-1学生のPost-completion OPTを中心に、申請期限と失業日数をどう見える化するかを整理します。STEM OPTや個別校の手続きは学校のDSOに必ず確認してください。
OPTで最初に見る3つの日付
OPT申請で混乱しやすいのは、制度名よりも日付です。USCISはPost-completion OPTについて、プログラム終了日の90日前から60日後までの申請枠を示しています。学校のDSOがSEVIS上でOPT推薦を入れたあと、Form I-765を進める流れです。
| 見る日付 | 意味 | 遅れると起きること |
|---|---|---|
| Program End Date | I-20上の修了日 | 申請可能期間の基準がずれます |
| DSO推薦日 | 学校がSEVISへ推薦した日 | I-765提出のタイミングを誤ります |
| OPT開始希望日 | EAD上の就労開始日 | 就職開始日と合わなくなります |
OPTは「内定が出てから申請」ではなく、卒業予定日から逆算してDSO相談日を先に押さえる手続きです。就職活動が未定でも、申請枠だけは早めに確認してください。
卒業前に作る申請カレンダー
90日前からの学校相談
最初の作業は、学校の国際学生オフィスにOPT説明会、DSO面談、I-20再発行の締切を聞くことです。USCISの期限内でも、学校内の締切が早い場合があります。
- 卒業予定日の90日前にDSO面談枠を探します
- 卒業要件を満たす見込みを学部や大学院で確認します
- 開始希望日は修了日から60日以内に置きます
- EADが届くまで働けない前提で生活費を残します
60日後まで待たない判断
申請枠は卒業後60日までありますが、遅く出すほど開始日の選択肢が狭くなります。郵送やオンライン処理の不備、写真、支払い、I-20署名の見落としも起きます。余裕を持つほど、内定先との開始日調整が楽になります。
失業日数を増やさない就職活動表
Post-completion OPTでは、初回OPT中の失業日数が累計90日を超えないように管理します。STEM OPT extensionでは追加の失業日数も関係しますが、まずは初回OPTの90日を毎週確認する癖が大切です。
- EADの開始日をカレンダーに入れます
- 勤務開始日、会社名、職務内容を記録します
- 離職日が出たらその日から日数を数えます
- DSOへの報告方法と期限を学校に確認します
「働いているつもり」でも、専攻との関連、勤務時間、雇用形態の説明が弱いと、あとで自分が困ります。職務内容は日本語メモだけでなく、英語で1段落書ける状態にしておくと安心です。
CPT経験者が見落としやすい違い
CPTは在学中のカリキュラムに結びつく実務経験です。OPTは卒業前後に専攻関連の実務経験を積む枠です。同じ「働く」でも、学校承認、雇用開始日、就労可能時点が違います。
I-20の読み直し
CPT経験がある人ほど、以前のI-20や雇用先メールを流用しがちです。OPT用に再発行されたI-20の推薦内容、プログラム終了日、署名日を読み直してください。
日本の予定との接続
帰国便、賃貸契約、健康保険、家族への連絡は、EAD到着後にまとめて動かすと遅れます。卒業前の時点で「OPTが通った場合」「通らなかった場合」の2本を作っておくと、焦りが減ります。
失敗しやすい場面と回避策
OPTで多い失敗は、制度を知らないことより、学校と移民局と雇用主の順番を混ぜてしまうことです。学校の推薦が必要なのに先にI-765だけ進めようとしたり、EAD開始日を雇用主の入社希望日に合わせすぎたりすると、あとで調整が難しくなります。
もう一つは、失業日数を「仕事を探している期間」とだけ考えることです。実際にはEAD開始日、雇用開始日、離職日、報告日をつなげて見ます。求人応募の数を増やすことも大切ですが、専攻に関係する職務として説明できるかを同時に確認してください。
日本側の予定も見落としやすいです。携帯番号、銀行、健康保険、住民票、家族への緊急連絡を残したまま動くと、現地で書類確認が必要になった時に困ります。卒業前の1か月で、米国側のOPT表と日本側の生活表を並べると、連絡先の抜けが見つかります。
- 学校のOPT説明会を録音やメモで残します
- 雇用主にEAD開始前は働けないと明確に伝えます
- 求人応募、面接、内定、勤務開始を同じ表で管理します
- 帰国する場合の荷物発送日も仮で入れておきます
内部リンクで確認したい関連手続き
アメリカの制度全体は、アメリカ大学院留学 完全ガイドから確認できます。CPTとの違いはアメリカCPTとOPTの違い、SEVIS費用はSEVIS料金とI-20の流れ、学校変更時の記録はアメリカ留学の学校変更で必要なSEVIS記録と新I-20も合わせて読んでください。
申請前の実務チェック
OPTは制度としては有名ですが、実務では「いつ出すか」「どの日から働くか」「失業日数をどう数えるか」で差が出ます。出願書類を整えるより先に、日付と報告先を紙に出してください。
- DSO面談日と学校内締切を1行目に置きます
- I-765提出予定日を卒業予定日から逆算します
- 就職活動の応募数ではなく面接予定日を追います
- 雇用が切れた場合の帰国または進学判断日を決めます
不安が強い人ほど、内定先探しだけに意識が寄ります。OPTは内定だけでなく、学校、移民局、雇用主への説明を同時にそろえる手続きです。管理表を作るだけで、次に聞くべき相手が見えます。
よくある質問
OPTは内定がなくても申請できますか?
Post-completion OPTは、内定がない段階でも申請を検討できます。ただし、EAD開始後は失業日数の管理が始まるため、開始希望日を遅くしすぎても早くしすぎても困ります。学校のDSOと、専攻に関係する仕事の探し方を同時に相談してください。
卒業後60日以内ならいつでも安心ですか?
制度上の申請枠が残っていても、処理時間、書類不備、開始希望日の選択肢が問題になります。卒業後に出す場合は、就職活動、住まい、保険、帰国便の判断も同時に迫られます。60日を締切ではなく、余白が減る期間として見てください。
失業日数は毎日数えたほうがよいですか?
毎日細かく不安になる必要はありませんが、週1回は管理表を更新してください。雇用開始日、終了日、勤務内容、DSOへ報告した日を残すと、後から説明しやすくなります。レシートのように証拠を残す感覚が大切です。
STEM OPTも同じ表で管理できますか?
同じ表に入れてもよいですが、STEM OPT extensionは雇用主要件、Form I-983、追加の失業日数など別の確認があります。初回OPTの表を土台にしつつ、STEM対象専攻か、雇用主が条件を満たすかを別欄で管理してください。
参照した公式情報
- USCIS Optional Practical Training for F-1 Students
- Study in the States F-1 Optional Practical Training
- USCIS Policy Manual Chapter 5 Practical Training
最終更新日: 2026-06-19